結婚式のプロフィールムービーを自分たちで自作される新郎新婦様もとても増えてきています。パソコンやスマホの性能が飛躍的に向上してきているのに加えて簡単にスライドショーを作成できるソフトやアプリも増えてきているので、自分たちでプロフィールムービーを自作することも敷居がだいぶ低くなりました。しかし単純にスライドショーを作成するだけでは単調で面白くないプロフィールムービーが出来上がりがちです。このページではプロフィールムービーを上手に作るためのコツについてポイントを押さえながらご紹介しています。
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プロフィールムービーを上手に作るためのコツ
プロフィールムービーは結婚披露宴の中で新郎新婦の生い立ちを紹介するためのムービーとして結婚式に定着しています。もはや結婚式の演出としてはキャンドルサービスやケーキ入刀に匹敵するくらいの定番の演出となりました。しかしケーキ入刀や花束贈呈といった結婚式の定番演出はプロのウェディングプランナーさんの演出のもとに完璧につくられますが、プロフィールムービーだけは新郎新婦様が二人で自作されるというパターンがとても増えています。
新郎新婦様の結婚式ではありますが、映像制作の経験が少ないもしくはない場合には素人同然です。皆さんも結婚式で上映されるとてもお寒いつまらないムービーを見た経験が有るかもしれません。プロフィールムービーにもいくつかのコツがあり、コツを抑えていないと素人丸出しの見づらい生い立ちムービーとなってしまいます。初心者の方ほど基本を大切にしてコツを抑えた見やすいプロフィールムービーを目指しましょう。以下のコツについてまとめて詳しく見ていきましょう
- 目的やターゲットを明確にする
- 感情が動くムービーを目指すコツ
- テーマを決めるコツ
- 写真の選び方のコツ
- コメント
- 上手に間をとるコツ
プロフィールムービーのコツ1:目標やターゲットを明確にする
プロフィールムービーは新郎新婦の生い立ちを紹介するだけだから、新郎新婦の生い立ちにまつわる写真を順番に表示していけばよいだけだとお考えの新郎新婦様が恐らく大半かと思います。既に定番化してしまった結婚式の演出なので、明確な演出意図をもって上映される新郎新婦様は少ないのが実情です。しかし目的やターゲットを明確にしたムービーというのは人の心に刺さる、気持ちが動くつまり感動しやすいムービーが作れます。
目的やターゲットが明確に決まっている例として、例えば「ターゲットとして両親」をそして「目的として両親に感謝を伝えること、両親を感動させること」とはっきりさせると、BGMの選び方もコメントの考え方、さらには写真の選び方も全てが明確にはっきりと決まってきます。
不思議なことに「両親という二人」”だけ”を明確なターゲットとして据えてコメントや写真を選んでいっているのに、その暖かい感謝の言葉や思い出の写真の数々に、さらには両親が涙する様子に感動して”会場全体”が感動的な雰囲気に包まれます。
結婚式に会社の上司や取引先の方など、様々なゲストが出席する事が理由で、ターゲットを明確化しない無難なプロフィールムービーの構成を選ばれる新郎新婦様が多いのも事実なのですが、残念ながらほとんどの場合感動や笑いはまず起こりません。モーショングラフィックスや合成の能力が高くても、この脚本家やシナリオライターとしての能力が皆無だとなかなか上手なプロフィールムービーを作るのは難しいです。プロフィールムービーを上手に作るための大切なコツの一つと言える点です。
プロフィールムービーのコツ2:感情が動く構成を目指す
プロフィールムービーを上映することによって、誰かの心が笑ったり泣いたりと何らかの感情が湧き上がるムービー、気持ちが変化するムービーはとてもクオリティの高いムービーで、大切な1つのコツと言えます。この部分のコツというのは動画編集の能力や技術というよりかは、プロフィールムービーの構成に必要な脚本やシナリオを考える能力の事です。人を驚かせたり笑わせたりするコミュニケーション能力が人より優れている人の方が得意かもしれません。
ただ単に映像技術を盛り込んだムービーというのも”映像表現”単体としてはビジュアル的に技術力も高く見た目も綺麗で良いのですが、肝心の構成部分が下手な場合、ただ単に綺麗な映像だったねという印象だけで終わってしまいます。プロフィールムービーを上手に作るためのコツの1つとして、自作するプロフィールムービーを見たときに笑いや驚きや感動や共感といった感情が湧き上がってくるのかを確認すると良いでしょう。
コツ:ターゲットに抱いてもらいたい感情を明確にする
- 笑わせたい
- 驚かせたい
- 感動させたい
- 共感させたい
プロフィールムービーのコツ3:表現するテーマを決める
プロフィールムービーを上手に作るためのコツの3つ目として紹介したいのが、明確化したターゲットとそのターゲットの感情を動かしたい方向性を明確に決めることが出来たら、それを実現するために必要な表現のテーマを具体的に決めていきます。テーマというのはデザイン的な要素やBGMを含めた全体的な雰囲気の事です。明るい雰囲気で楽しく感謝を伝えることも出来ますし、しっとり落ち着いた雰囲気の中で丁寧に感謝を伝えたり、シックな雰囲気を前振りとして一気に笑いや驚きの方向に持っていく事を目指す脚本の構成方法もあります。
新郎新婦様二人で明確にした目的とターゲット、さらには感情の変化を実際に実現できそうなテーマやコンセプトをさらに具体的に決めていくと、この後に続いていくコメントや写真の選び方がだいぶ楽になり、具体的な選択がしやすくなります。逆に目的やターゲットや感情の変化という大切なコツの部分を全く考えておられないようだと、この後のコメント選びや写真選びでかなり大変な思いをするかもしれません。
- 明るくポップなテーマ
- 楽しい面白いをテーマに
- 落ち着いて丁寧な印象をテーマに
- 静かに感動と感謝がテーマ
- 荘厳な雰囲気が全体のテーマ
などなど、表現の仕方や方向性を明確に決めておくことも自作時のポイントです。
プロフィールムービーのコツ4:写真選びのポイント
具体的に目的やターゲット、感情とそれを具体的に達成するための全体のテーマが決まってきたらいよいよそれらに沿った具体的な写真選びが開始できます。プロフィールムービーを自作される新郎新婦様の大半は、おそらくまずここからスタートされることと思います。目的もターゲットも明確ではなく、ターゲットに抱いてもらいたい感情も決まっていない、それ故に表現のテーマもまったく決まっていない・・・。写真選びには前述のこれらのコツも大きく関係してきます。
生い立ちを紹介するための幼少期の写真には、厳格な雰囲気が漂うものであったり、明らかに面白い笑いの雰囲気があったり、秘めたるエピソードが含まれている写真などが色々あります。目的やターゲットやテーマがはっきりしていると、方向性の異なる写真はひとまず保留として方向性が一致するものだけを選択することが出来ます。写真選びがなかなか決まらない場合には、だれの為にどういう目的で上映するプロフィールムービーなのかを今から新郎新婦様の間で話し合ってみると決めやすくなるでしょう。
テーマとか目的とかターゲットなんかどうでもよく、とりわけ上手なプロフィールムービーではなくても良いのでひとまず無難に作るためのコツが知りたい、という新郎新婦様は以下のようなポイントを押さえていくと良いしょう。以下は最低限抑えるべき写真選びのコツです。
- はっきりと人物が認識できる写真
- 背景やエピソードに変化がある写真
- 結婚披露宴に参加してくれるゲストも写っている写真
- 変化に富んだ色と画
プロフィールムービーのコツ5:コメント選びのコツ
コメントを考える時にも、前述の目標やターゲットがはっきりしている方がはるかに決めやすく心に刺さるコメントを生み出すことが出来ます。全員にざっくりと伝えるコメントでももちろん無難なプロフィールムービーを作る上では有効ですが、誰の心にも刺さらないのも確かです。このページでは「無難に」ではなく「上手に」自作するためのポイントとして紹介させて頂いているので少し厳しめかもしれませんが、数千組の制作実績がある筆者が日頃気を付けているコツとしてご参考にされてください。
コメントを作るときにもここで”ターゲット”や”目的”と”感情”が例えば「両親に感謝を伝えて感動の涙を流してもらいたい」とはっきり決まっていると、
- 1980年3月8日 新婦芽衣花が生まれました
というシンプルなコメントが
- 1980年3月8日 母がお腹を痛めて私を産んでくれた日
などと母親にとって心にぐっと刺さるコメントに生まれ変わります。
コメントを考える時に明確にターゲットを決定して全編を統一できないのであれば、心に刺さる上手なプロフィールムービーとして全編を作り切るのは難しくなります。どうしてもターゲットを明確化できない場合には、そのまま無難な構成に開き直って説明調で作ってしまっても全然良いと思います。
プロフィールムービーに限らず、人の心が動くムービーを作り切るのは例えプロとして活動している映像作家の著者としても日進月歩の一生の課題だと思っています。筆者の経験上無難な構成のプロフィールムービーがほぼ8割以上なので、とがったムービーに固執せずに無難な構成を目指す方向に切り替えてしまっても良いと思います。
プロフィールムービーのコツ6:間の取り方
最後のコツとなるポイントについて、「間」の取り方というのも一つご紹介しておきたいと思います。プロフィールムービーを上手に作るコツと一言にいっても、映像表現に関する技術的な領域と映像作家や脚本家としてのシナリオ寄りの技術やコツが複雑に絡み合った演出技術が必要になるため、すべてのコツを網羅するのは不可能です。しかしこの間の取り方は素人の方が見落としがちな編集上のポイントの1つですので、初心者の方は特に気を付けて空白の時間の取り方を考えてみてください。
写真と写真の切り替わりに来る間の時間が1秒なのか2秒なのかだけでも、その後に表示するコメントが心に刺さる強さが変わってきます。プレゼンテーションや壇上からのスピーチの経験が豊富な方ほどこの間、休止の取り方には精通しているかもしれません。2-3秒程度の大きな間と休止を作ってあげると、ムービーを見ているゲストは一瞬あれ?と不思議に感じます。その後にキメのコメントや写真を表示させることで拍手喝采を誘導することも可能です。
もちろん逆に休止や間をほとんどとらずにアクションシーンで取り入れられているような足早のカットつなぎで切迫感や緊急感を生み出すことも出来ます。演出意図がはっきりしていると、その意図に沿った間や休止の取り方を具体的に決めていく事が出来ます。
初心者の方が作るいわゆる素人丸出しなプロフィールムービーにはこの間・休止・タメの時間がほとんどなく、忙しくムービーが展開していきます。この点は映像クリエイターとしても学ぶ点がまだまだ多い点です。上手に作るための1つのコツと確実に言えるでしょう。
プロフィールムービーはコツを抑えて上手に作る
長々となってしまいましたが、ここまでご紹介させて頂いたコツは日々プロフィールムービーに限らずプロの映像クリエイターとして様々な映像制作に携わらせて頂いている経験から感じていることを記載させて頂きました。プロフィールムービーを自分たちで初めて作るという新郎新婦様にとっては、まず編集ソフトの使い方を覚えて、無難な構成でも確実に作り切る段階から難しいかもしれません。
上手にプロフィールムービーを作りたいのであれば、ただ単にスライドショーを作ってちょっとVFXが出来るとかモーショングラフィックスも自分で作れます程度の能力では不足で、プロフィールムービーなりのコツがやはりあります。ここで紹介させて頂いたコツはあくまでも1人のクリエイターとしての個人的な意見なので、賛否両論あってよいものです。全く逆の意見もある事と思います。ただ一つはっきりしているのは、確実な答えなんて誰も言えんよ・・・という点です。ゲストの種類や規模やタイミングでも成功の是非は変わってきます。すべてのコツを網羅してある程度技術力のあるプロによってつくられたプロフィールムービーでも本番にダダスベリになっている会場も拝見させて頂いたことがありますし、私自身も経験があります。芸人さんがまったく同じネタでもウケたりウケなかったりする点と似ているかもしれません。経験が一生必要だと思っています。新郎新婦様も自分たちなりに分析して上手なプロフィールムービーを作ってみてください。
コツを抑えて素晴らしいプロフィールムービーが作れるといいですね。編集大変ですが、頑張って日々成長していきましょう。