素材のサイズが変化してポップアップ表示されてくる、[スケール]プロパティを活用したアニメーションを作成します。[スケール]プロパティもAfter Effectsではよく調整する項目となりますので、素材のサイズ調整についてもしっかり練習しておきましょう。
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スケールアップアニメーションの作成
アニメーション開始のキーフレームを作成します。時間のインジケータを0秒に合わせて、人型シルエットのレイヤーの[スケール]プロパティを表示します。スケールの値を[0%, 0%]に変更し、ストップウォッチボタンをクリックします。これで[スケール]の値が0のキーフレームを1つ打つことが出来ました。
次に時間を1秒進めて、スケールの値を[100% , 100%]に変更します。既にストップウォッチボタンを一度押しているので、2個目以降のキーフレームは自動的に挿入されます。ストップウォッチボタンを再度押してしまうと、挿入したキーフレームが全て消えてまうので注意しましょう。
一度試しにプレビュー
これで画面から消えている状態から、サイズが変化することによってポップアップ表示されてくるアニメーションを作成する事が出来ました。プレビューパネルから再生ボタンを使って実際に再生してみましょう。ただ、この状態では本当にシンプルに直線的にサイズが変化するだけなので、味気ない物足りない印象を受けます。もう少し調整を行って、より見やすいアニメーションに変えていきましょう。
サイズの変化スピードを調整します
サイズ変化のアニメーションが非常に単調な印象を与えるのは、サイズの変化量が常に一定で直線的であるというのも一つの原因です。実際の現実世界ではサイズや位置が変化するときの速度は常に一定ではなく、初速は遅かったり、中間点は最も早かったり、終着点はまた遅くなったりと変化します。
イージーイーズの適用
After Effects内でもそのような速度の変化を柔軟にコントロールする事が出来ます。挿入したキーフレームを2つ選択して、キーボードの[F9]キーを押しましょう。すると挿入されていたキーフレームの形が変わります。イージーイーズと呼ばれる補間方法が適用されて、スケールアニメーションの速度が初速は遅く中間が早く終了点が遅くなるように変化します。これは実際に見てみた方が分かりやすいかもしれません。これだけでも自然なスケールアニメーションに変化します。
ボヨヨヨーンとバネのような動きを加えます
イージーイーズを適用しただけでもだいぶ自然なアニメーションとなりましたが、今回はさらにバネのような反動となる動きも加えてみたいと思います。先ほどまで0秒と1秒との間のアニメーションとしていましたが、その間にバネのような動きとなるようにキーフレームを打っていきます。
バネのような動きを加える場合、スケールの値は100%を一旦通り越して「0% > 120% > 85% > 110% > 95% > 100%」のように、上下に値が変化します。これらのキーフレームを任意のタイミングで打って、それらにもイージーイーズを適用することでバネのような動きをキーフレームで作成する事が出来ます。既に0%と100%のキーフレームは打っている状態ですので、その間に4つのキーフレームを作成しましょう。値は厳密に「120% > 85% > 110% > 95%」である必要はありません。「少し大きく > 少し小さく > 少し大きく > 少し小さく」と値を徐々に100%に近づけながら打っていけば、少々ずれていてもそれっぽく見えます。
最後に徐々に変化が速くなるように、4つのキーフレームの間隔を徐々に近づけていきます。
グラフエディタでアニメーションを見ることも出来ます
タイムラインパネル上部の「グラフエディタ」ボタンを押すと、キーフレームに入っている値をグラフにしてみる事が出来ます。バネのような動きを作成する場合には、以下のように徐々に時間の感覚が短くなりながら、値が100%に近づいていくのを確認できます。
完成プレビュー
これで素材が画面から急にポップアップしてくる、[スケール]プロパティを活用したアニメーションを作成する事が出来ました。一度作成したこれらのキーフレームはコピーして使いまわすことが出来るので、様々な要素がスケールアップしながら表示されてくるアニメーションも簡単に作成する事が出来ます。[スケール]プロパティを活用したアニメーションはポップで元気な印象を与えるので、ポップな印象の映像作りの際には活用の機会が実際にあるかもしれません。
数式やプラグインで作成することも可能です
こういったポップアップとボヨヨヨーンとしたバネのような動きは、手付けでキーフレームを打って作っていく場合には実際結構な手間がかかります。エクスプレッションに数式を入れて動きを数学的に作ったり、簡単にアニメーションを適用できるプラグインなどもありますので、こういったアニメーションをたくさん作成する必要があるのであればキーフレーム以外の方法も調べてみると良いかもしれません。
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