ルミナンスキーマットの使い方

After Effects ではトラックマットと呼ばれる機能を使って、指定する部分だけの映像を表示することができます。PhotoShopでもおなじみのレイヤーマスク機能とも非常によく似た機能です。レイヤーそのものを直接編集することなく切り抜きやエフェクトの追加ができるため、利用方法をマスターしておくと編集操作のバリエーションが増えます。このページではトラックマット機能の中から輝度情報をもとに切り抜きを行う「ルミナンスキーマット」機能についてご紹介しています。

ルミナンスキーマットとは?

ルミナンスとは輝度のことです。ルミナンスキーマットとはこのルミナンス値(輝度値)を使ってレイヤーの不透明度をコントロールします。白黒で見た時の白い色の部分は表示され、黒い部分は表示されないようになります。マットとして利用するレイヤーと、切り抜きたいレイヤーの2つを組み合わせて利用します。

ポイント

  • 白い部分は表示される
  • 黒い部分は表示されない
  • 2つのレイヤーを組み合わせて利用します

ルミナンスキーマット適用の準備

ルミナンスキーマット用のレイヤーを用意

トラックマットは2つのレイヤーを組み合わせて行います。まずはルミナンスキーマットとして利用するレイヤーを用意しましょう。ここでは以下の白黒の画像を利用します。黒い部分は透明ではなく完全な黒色で、アルファチャンネルはついていません。

切り抜きたいレイヤーを用意

ルミナンスキーマットを適用して任意の形で切り抜きたいレイヤーを用意します。ここではフラクタルノイズを適用した平面レイヤーを用意しています。

ルミナンスキーマットの適用

レイヤー順序の整理

ルミナンスキーマットを適用する場合、レイヤーの上下の順序が非常に重要です。下に切り抜きたいレイヤーを配置して、マットとして利用したいレイヤーは上に配置します。

トラックマットのメニュー

トラックマットの適用はライムラインの「モード」列を使って適用します。このメニューが表示されていない場合は、以下のボタンを押してタイムラインに「モード」列を表示します。キーボードの[F4]キーでも表示と非表示を切り替えできます。

トラックマットを適用する

下に配置したレイヤーのトラックマットメニューから「ルミナンスキーマット」を指定します。

上のレイヤーは非表示になります

トラックマットを適用すると、マットとして利用するレイヤーの目玉マークが消えて非表示になります。これは直下のレイヤーの不透明度をコントロールするためだけに存在するレイヤーに変化したためです。非表示の状態で正常ですので、そのまま編集を行いましょう。

トラックマットによって切り抜かれました

ルミナンスキー(輝度情報)を使ってトラックマットを設定したことによって、切り抜きが出来ました。

ルミナンスキー反転マットは、逆の結果になります

「ルミナンスキー反転マット」を適用すると、ルミナンスキーマットと同じく輝度情報を使った切り抜きが行われますが、白い部分と黒い部分とで効果が反転します。

ルミナンスキーを使った作例

炎の素材をタイトルテキストを切り抜き

トラックマット機能を用いれば、炎を模した素材をタイトルテキストで切り抜くこともできます。テキストレイヤーをマットとして利用して、下に配置した炎の素材にトラックマットを適用しています。タイトルのテキスト形状で切り抜くテクニックはよく見かける効果かもしれません。

ルミナンスキーマットを練習できるaepファイルをフリーダウンロード

以下のaepファイルにはこのページで紹介した内容が格納されています。ルミナンスキーマットを利用すれば、レイヤーの切り取り作業を輝度情報を使って簡単に行うことができます。この機能を応用すると、レイヤーの特定の部分にだけエフェクトを適用することもできます。技術レベルが上がるにつれて、またプロジェクトの複雑度が増せば増すほどにトラックマットの機能は必須のスキルとなっていきますので、是非嫌がらずにしっかり習得しましょう。以下のaepファイル内で、どのようなレイヤー順序でトラックマットが利用されているのかを実際に開いて確認されることをお勧めいたします。

初心者の方やAfter Effectsを勉強しておられる方にお役立ていただければと思います。

 

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