ビデオとオーディオを同期して統合する

PremiereProで動画編集を行うクリップで、ビデオカメラ側の映像ファイルとは別に録音しておいたオーディオクリップの2つを同期させて編集する必要がある場合もあります。ビデオカメラに搭載されているオーディオ録音用のマイクでは音声があまりよくないというときには、マイクだけを別のコンデンサーマイクやガンマイクなどを用いて別で録音するという撮影方法はプロ寄りの映像になればなるほど普通の事になってきます。別で録っておいた音声データは編集時点で映像と完全に同期するように調整を行う必要がありますが、これら別で録っておいた音声と映像を一緒に1つのクリップとして管理できるととても便利です。PremiereProでは別で録っておいた映像と音声を同期させて統合することが可能です。このページでは音声と映像の同期と統合の方法についてご紹介しています。

ビデオとオーディオを同期して統合する

デジタル一眼レフカメラで撮影した映像と、高解像度のマイクで録音しておいた音声の別々の2つのクリップを1つのクリップとして統合した状態で動画編集がしたいというケースは実際によくあります。ビデオカメラや一眼レフカメラに搭載されている音声マイクではそれほど音がよくないため、もっと音の良いマイクで音だけを収録したいというプロ志向な方も少なくないでしょう。映像と音を別々で録っておくことは簡単ですが、編集時点でそれらを同期して編集する方法は編集ソフトによっては難しくなります。PremiereProでは別々のクリップを1つのクリップとして同期して統合する方法がありますので、PremiereProで別のクリップを統合する方法について確認しておきましょう。

同期の基準となるポイントにマーカーを付ける

PremirereProで別々のクリップを同区して統合する方法の1つがマーカーを使って「基準となるポイントを作りその点で同期する」という方法があります。チャプターやコメントを付ける時に挿入するマーカーを使って同期と統合が可能です。

まず初めに基準となるポイントにマーカーを挿入しておきましょう。ここで基準にしやすいポイントは手拍子や運動会のスタート発砲音など、はっきりとした音である方が同期しやすくなります。映像の中にはっきりとした音が確認できるポイントがあれば、そのフレームにマーカーを打っておきましょう。撮影時点でこの同期の事を考慮しておき、予め手をたたく瞬間や声を「あっ」とはっきりと発生する瞬間など、同期するための撮影ポイントを入れておくと編集での同期作業が楽になります。

  • 手をたたいた瞬間
  • 「あっ」「えっ」など大きな声を映像でも音声でも確認しやすい瞬間

ビデオ側のマーカーに名前を付ける

ビデオクリップ側でマーカーを付与するポイントが決まったらマーカーを追加し、「マーカーの編集」ダイアログ内で名前を付けておきます。ここで付けておく名前がその後オーディオファイルと同期する時の同期ポイントになるので、自分で分かりやすい名前を付けておくと良いでしょう。

  • マーカーの名前は「同期ポイント」など分かりやすい名前が理想
  • 後ほどオーディオ側のマーカーでも同じ名前を指定する日必要がある

オーディオにもマーカーを付ける

音声クリップ側でも同じくマーカーを付けていきます。先ほど映像側でマーカーを付けたポイントに合う音が含まれている部分を実際に音声データを聞きながら確認していきましょう。「手をたたいた瞬間」など同期点として分かりやすいポイントであれば理想的ですが、少し分かりにくいタイミングの場合には何度も耳で聞いて適切な個所を探す必要があります。はっきり区別できるポイントでは波形上でもはっきりとした波で確認できます。

オーディオ側のマーカーも同じ名前にする

オーディオ側でも同期するポイントとしてマーカーを付けることが出来たら、そのマーカーに映像側で付けたときと同じ名前を付けます。このページでは「同期ポイント」と名前を付けていたので、同じくオーディオ側のマーカーにも「同期ポイント」という名前を付与します。

クリップを統合する

加えたマーカーを基準点として別々の2つのクリップを統合します。プロジェクトパネル内もしくはシーケンス内でオーディオと映像の2つのクリップを選択したら、上部メニュー「クリップ>同期」から進みクリップを統合ダイアログを表示させます。右クリックから表示されるメニューにも「同期」メニューが表示されています。「クリップを統合」でも「同期」でもどちらでも同期の編集が可能です。

同期ポイントを指定する

クリップを統合ダイアログが開くとここから同期するための基準となるポイントを指定することが出来ます。「クリップマーカー」を有効にし、プルダウンメニューから「同期ポイント」を指定します。

ビデオクリップに含まれている音声はどうするか?

ビデオクリップにも音声データが含まれている場合には、元々入っている音声データをどうするのか決める必要があります。「オーディオ」の項目から「ビデオに含まれるオーディオを削除」を指定すると、元々ビデオクリップに含まれていたオーディオデータを削除することができます。元々のビデオクリップに音声データが含まれていない場合には特に設定の必要はありません。

クリップを統合する

設定が出来たら最後に「OK」を押してクリップの同期と統合を完了させます。統合されたクリップはプロジェクトパネル内に新規のクリップとして追加で表示されるようになります。このクリップをシーケンスに放り込むと、ビデオクリップとオーディオクリップが同期されていることを確認できます。

同期の微調整

シーケンスにクリップを取り込んだ後に同期の位置が微妙にずれていることに気づく場合もいあります。その場合にはタイムライン上でクリップをクリップのリンクを解除して位置を微調子してから再度右クリックから表示されるメニューを使って統合することで1つのクリップに戻すことが出来ます。

音声と映像を1つにして編集を便利にする

音声と映像を別で録っているというケースは高度な映像になってくれば珍しくはなく、むしろ一般的になってきます。マイクを高解像度のものに変更して撮影時点から音声と映像を統合した状態で撮影することもできますが、パソコンのウェブカメラなどで撮影して編集しているYoutuberの方などの場合にはウェブカメラにマイクが搭載さえておらず別のマイクで録っているというパターンも珍しくはないでしょう。

別撮りした音声と映像は同期しなくては利用が出来ませんが、編集ソフトによっては完全な同期を行うための機能がそもそも付いていないというものも珍しくありません。別で録っておいた音声とビデオを同期しながら編集していくためにはPremiereProのように同期させるための機能が搭載されているものが必要になりますので、これから同期と統合の編集を行われる方はその点もしっかりと考慮しておくと良いでしょう。

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