AviUtlではシーンチェンジという機能を用いて場面転換のアニメーションを加えることが出来ます。一般的な動画編集ソフトではトランジションと呼ばれるこのシーンチェンジ機能は、効果を追加して増やすこともできるため非常に使い勝手が良いものになっています。このページでは標準でAviUtlに搭載されているシーン切り替え効果の全一覧を紹介しています。
AviUtlでの動画編集に使えるシーンチェンジ効果全一覧
クロスフェード
透明度を使ってゆったりと写真や動画同士が切り替わる一般的に最もよく利用されるトランジション効果です。自然で目立たない切り替わり効果なので、使われる機会はとても多いです。
ワイプ(円)
円状の小窓を使って表示の切り替えを行います。ポップな印象の映像作りで時々見かけるトランジションです。
ワイプ(四角)
小窓の形状を四角形にして表示の切り替えを行うトランジション効果です。ポップな印象を与えやすい切り替え効果になっています。
ワイプ(時計)
オブジェクトの中心を中心点として時計の針がぐるっと一周するかのように切り替えを行うトランジションです。
スライス
シャッターやブラインドカーテンのように横線で区切った領域を使ったシーンチェンジ効果です。ラインの細さ(分割数)を変更できるので、細くしたり太くすることでも印象ががらりと変わってきます。ノイズのような表現もアイデア次第では作りやすいかもしれません。
スワップ
奥行方向を使った3次元的な動きでシーンの切り替えを行います。奥から次のオブジェクトがぐるっと回って前に出てくるアニメーションです。
スライド
一枚目のオブジェクトが横方向にスライドしていく事によって、下に隠れていた写真や動画が表示されてくるシーンチェンジ効果です。連続して利用する事で「写真」であるかのような見せ方も作りやすいかもしれません。テーマと合えば使いやすいトランジションです。
縮小回転
一つ目の写真もしくは動画オブジェクトが回転しながら縮小していき、2つめのオブジェクトに切り替わるシーンチェンジ効果です。
押し出し(横)
スライドととても似ていますが、2つめのオブジェクトも同時に動いてインしてくる点で異なります。写真をササっと横に動かして切り替えていくと、フィルム風のスライドショーなどにも応用できます。
押し出し(縦)
縦方向に2つのオブジェクトが同時に動いてインとアウトを行うトランジションです。フィルムが動いているかのような動きにも似ているので、振動や古いフィルム風の効果を加えてフィルム風のスライドショーなどにも活用の機会があります。
回転(横)
横方向に3D回転を行って、裏と表で切り替わるというシーンチェンジ効果です。
回転(縦)
X軸を基準として縦方向に回転を行い、裏と表で表示を切り替えるシーンチェンジ方法です。
キューブ回転(横)
箱の形状をした物体が回転する際に、その1面を覆う形で写真や動画が動いて表示を切り替えるトランジション効果です。横にぐるっと回る動作で3次元の印象がとても強い切り替え効果です。
キューブ回転(縦)
写真や動画オブジェクトを箱上に配置して箱が回転する動作に合わせて表示を切り替えます。次元的な動きを取り入れたい方には使いやすいトランジションかもしれません。
フェードアウトイン
クロスフェードとは少し異なり、1つ目の写真や動画が完全に黒い表示(透明)になってから、次のオブジェクトが表示されてきます。場面のはっきりとした転換としてもしばしば用いられるトランジション効果です。
放射ブラー
放射状のぼかしを加えながら写真や動画同士の切り替えを行うスタイリッシュなトランジションです。ワープとか時間の経過を感じさせるような表現とも相性が良いかもしれません。
ぼかし
ぼかしを加えた状態で切り替えを行うシーンチェンジ効果です。時間の経過や回想、思い出といった表現とも相性がよくしばしば利用されるトランジションです。
ワイプ(横)
スライドととても似ていますが、写真そのものが動作しているのではなく表示領域が動作しています。また2枚目は動作せず、一枚目の表示領域だけが動くことによって切り替えを実現しています。
ワイプ(縦)
一枚目のオブジェクトの表示領域を直線的に変化させることで場面の切り替えを行います。
ロール(横)
ポスターをクルクル巻き取るかのような動きで1つめのオブジェクトが消えていき次のオブジェクトが表示されてくるトランジション効果です。巻物やポスターといった表現とピッタリハマる映像表現を作成したい方にはドンピシャなトランジション効果かもしれません。
ロール(縦)
こちらもポスターや巻物を巻き取るかのようにクルクルと動作させながらシーンが切り替わっていくトランジション効果です。
ランダムライン
ランダムな幅のブラインドカーテンのような形で、直線を使ったシーン切り替えが出来ます。パラメータを調整することで横線や縦線と方向を変えられるのも一つの特徴です。
発光
明るさが一気に明るくなり真っ白になったところから次のオブジェクトへと表示が切り替わっていきます。フラッシュバックや回想といったシーンとも相性が良いトランジションです。
レンズブラー
ぼかしを使った切り替え効果ですが、レンズブラーのぼかしを使った点が通常のぼかしによる切り替えとは異なります。
ドア
ドアが開くときのように2分割されたオブジェクトが動作することで次のオブジェクトへと表示を切り替えます。よく考えて利用しないと安っぽい印象になりやすいトランジションです。
起き上がる
次のオブジェクトがX軸を基準として飛び出す絵本のように起き上がってくることによって場面を切り替えるトランジション効果です。
リール回転
クルクルクルと縦方向に回転しながら切り替わっていくスタイリッシュなトランジションです。ルーレットとかWANTED的な表現などでも使いやすいかもしれません。モーションブラーも効いているのでなかなかかっこいい表現になります。
図形ワイプ
図形の形状を使ったトランジション効果で切り替えが出来ます。ちょっとオシャレでポップな印象のシーンチェンジを探している方にはお勧めです。「設定」メニューから図形の形状を四角形や星形に変更することでよりオリジナリティを持たせることも出来ます。
図形で隠す
たくさんの水玉模様に画面が覆われて、その後覆いが解けたときに次の画像や動画に切り替わっているというよくあるトランジション効果です。デフォルトの水玉模様のデザインが少し雑ではあるので、「設定」メニューから様々調整した方が良いかもしれません。影をなくして完全にフラットなデザインにすることで、ペンキの飛び散りにも似た表現を作成できるかもしれません。試行錯誤できるトランジションです。
図形で隠す(放射)
「図形で隠す」と違う点は放射状に画面が覆われるという点のみです。細かく調整が出来るので調整次第では意外と使えるトランジションになりえます。ハートの図形を利用したりすればより雰囲気のあるトランジションにも出来そうです。
砕け散る
粉々に粉砕された写真や動画が集まってくることで次のオブジェクトに切り替わる効果を作成します。ガラスの散らばる音との組み合わせなども有効かもしれません。こちらも「設定」メニューから重力や速度などの細かい調整が出来てとても高度な表現が作成できます。
ページめくり
オブジェクトの中心でパタッと本をめくるようにして次のオブジェクトへと切り替えていく事が出来ます。本やアルバムといった題材を使ってムービーやスライドショーを作成している場合にはとても有効なトランジションです。
トランジション効果の多用に注意
AviUtlでの動画編集に限った話ではありませんが、トランジション効果を色々と試行錯誤していると、様々な動きを取り入れたくなってしまうのは皆同じかもしれません。しかし実際に仕上がった映像を見てみると、トランジション効果の大きなものが多用されているとだいぶうっとうしい印象を受けます。色々と勉強したことを使ってみたくなる衝動を抑えて、動きの大きなトランジションは本当に使うべきところにのみ利用するように心がけましょう。